初恋?


■ 初恋? 2003/4/24(Thu)



あれは高校三年の夏のことだった。


友人5人と広くて有名なプールに出かけた。



そこで大学生の男の子たちに声をかけられた。



当時私は真面目が制服を着ているかんじのダサい真面目女子高生だった。


髪の毛は肩までのびると黒いゴムで二つに結び制服のスカートはきちんとヒザ丈を守り


雨の日は紺色の長靴をはいてレインコートを着て登校するような少女だった。




ロッカーに教科書など置きっぱなしにすることはなくいつもブ厚すぎる学生カバンを持って


手にマメをつくっていた。



中学から女子校だったこともあり男性と口を聞いたことがなかった私は


プールの後に皆で喫茶店に入ったけれど殆ど話す事も出来なかった。





相手の男性たちは6人いてその中でずっと流暢に面白く話をしていた男性に目が止まった。




昔から私はスキになる人は面白い人だった。




それに,不良に憧れを持っていたので



茶色いサラサラした髪の毛を時折かき上げながら話す彼に目を奪われていた。





「早乙女です」彼はそう名乗った。




さおとめ・・・カッコイイ名前だぁ。マンガの主人公っぽい・・・



心の中でそう思った。




そして、その後



彼から電話がきてデートをすることになった。





私にとって生まれて初めてのデート・・・・





高校三年17歳の夏のことだった。




待ち合わせの場所に約束の時間より30分前に着いた私は



ドキドキしながら彼が来るのを待っていた。




結局、彼と連絡がとれず



待ち合わせの場所で3時間待たされた。



(じっと待ってたことが今でも信じられない )





それでも初々しかった私は



3時間遅れて来た彼に向かって





「もう来てくれないのかと思った・・・よかった・・・・」




と言っていた。


(今では私は10分待たされただけでブチ切れるのに )




彼と私は公園のベンチに座った。



暑い日ざしが私たちを照らす。




だが暑いとか感じている余裕はなく



私は淡いピンクのブラウスの上からでも



心臓のドキドキがわかってしまうのではないかとひやひやしていた。




うつむいたままの私は彼の質問に答えるのが精一杯だった。





「おなかすいてない?美味しいラーメン屋知ってるんだけど行く?」





ラーメン・・夏なのに?



汗かきながらラーメン食べるの嫌だな。




汗かきかき食べるなんて体脂肪が多いと思われてしまいそうだし。




しかも初めてのデートなのにラーメン?



ジュルジュルすすれない・・どうしよう・・・




そんなことが頭をよぎったが「うん・・・」と答えていた。





そして・・・



時間が止まった。




空気も止まった気がした。



けど15秒くらいだったのだと思う。





彼の右腕が私の右の肩にそっとかかった。




手、手が!男の人の手が!私の肩に!




一瞬息が止まりものすっご~く ドキっとした。




たぶん5センチはドキッ!としてベンチから浮いたと思う。




心臓がものすごい速さでバクバクいっている。




老人ならすでに危篤状態に陥っていただろう。




「あれぇ~?ドキドキしてる?」




と、私の顔を覗き込むように彼は少し笑いながら言った。




うん。 という返事すらできないくらい私は舞い上がっていた。






「あ、あの、手、どけて・・心臓が止まりそうだから・・・・


 こういうチュチュエーチョンって今までなかったので・・・・」




口がまわってなかった。シュチュエーションって言えてない。





「じゃ、歩こうか。ラーメン屋に行こう」





そして2人は並んで歩いてラーメン屋に入った。




「何にする?」




「早乙女さんと同じもの・・・」



そして豚骨ラーメンが目の前に置かれた。





生まれて初めてのデートに脂ぎったギトギトした「とんこつラーメン」なんて・・・・



醤油ラーメンって言えばよかった気がする・・・




と、どうでもいい注文の結果に後悔していた。




彼は美味しそうにラーメンをすすっていた。



私はラーメンを見つめながらどうやって食べようかしばらく考えていた。




音をたてて吸えない・・・




ジュルジュル~なんて恥かしくて音だせない・・・





そこで私はラーメンを割り箸で持ち上げると口に持っていき麺を口におしこんでいった。




唇で必死にラーメンをムニュムニュ口の中におしこんでいく。




牛が草を食べるような口の動きに似ていたと思う。




なんだかすごくまずそうな食べ方だったに違いない。




でもラーメンを下品にならず女らしく食べるには?と考えた私は 



唇利用麺押し込み作戦  しか思いつかなかった。



(だが今思うと唇で麺をムニョムニョ押し込んでいく食べ方の方が断然ヘンだ)





当然半分以上ラーメンは残すはめとなった。スープも飲めなかった。




その後、その彼とは2回会ったが



一緒にプールに行った私の友人と二股をかけてつきあっていることを知り



あっさり別れたのだった。





しかも彼の名前の「早乙女」はウソだった。



カッコよさそうな偽名を使ったらしい。




本当は町内会に5-6件はあるありふれた名前だったと後から知った。



騙された・・・・







上記がウブすぎる私のほんのり色づいた苦い経験である。




因みに今の私のラーメンの食べ方は、肩より長い髪の毛は邪魔なので



食べる時には黒ゴムで後ろでしばってから思い切りラーメン食べてます。





豪快にラーメンをすすりどんぶりを持ち上げ一気に汁を流し込む私をみたら


あの時の彼はひっくりかえるだろうな(笑)




今の鮎ならまず最初に彼を3時間待つこともなく、



たとえ待ったとしてもグーでみぞおちを殴ってから帰ります。





その彼が私の初めてつきあった男性になるのだけど・・・



付き合ったってとこまでいってないので


鮎の初恋はコイツじゃなく(笑)


その後に海で出会ったロマンチックなスチュエーションがあった男性を初恋にしたいと思います。



(思い出修正~♪)





またタイムマシーンに乗って夏の終わりの海までひとっ飛びできたら


書こうかな・・・♪





~次回予告編=「本当の初恋編 危ないキッス」(仮題)~~~~~~~


    5月上映予定wおったのしみにっ(≧∇≦)ъ