■ ミスコン(完結編) 2003/2/4(Tue)
自宅のリビング。
夕食を終えた私はお茶を飲みながら家族とテーブルを囲んでいた。
「そろそろだわね」 と母。
「だけど私は映ってないかもしれないよ」 と私。
「ま、ともかく見ようかね」 と父。
「映ってなかったらバカみたいだね」 と弟。
4人でお茶を飲みながらテレビのそれがはじまるのを待っていた。
メイン司会者が出てきていろいろなコーナーをやっているがまだそれらしき映像はでてこない。
「ないんじゃないの?」 と弟。
「でもテレビ欄のとこに占いって載ってるからあるってば」 と私。
では次のコーナーです。(TV)
「これだ!はじまった!お父さん~!はじまったよ~!」
トイレに行こうと立ち上がってドアから出て行った父をあわてて呼んだ。
「お、そうかそうか。じゃトイレはあとでにしよう。ガマンすればいいことだからどうってことないぞ」
父はトイレをガマンしてくれてイスに座った。
テレビでメイン司会者の声が流れる。
「先日あるコンテストが行なわれました。その中で誰が優勝するかを
三人の先生に事前に占ってもらっています。」
「今回、星座占い、姓名判断、手相、の3つの方面から優勝者を当てていただきます」
3人の先生が紹介された。
3人とも見たことがある先生たちだ。
それもそのはず自分が見てもらったのだから。
「パネルにこのコンテストで優勝するであろう人の名前を書いていただきました。まずは手相の○○先生から、お願いします。」
私の手を見ながらうんうんうなずいていたあの中年の女の占い師だ。
パネルが開いた。
「優勝すると思われる人はこの人で、この人の手相は大変人気運に恵まれ誰からも好かれ
芸能界に入ってもすごい人気ものになるでしょう。
そしてもしもこの方が芸能界に入らないとしても社長夫人になる等、
幸運に恵まれ多くの人に慕われて素晴らしい人生を歩む運勢です」
と、パネルには私の氏名が書かれていた。
そして私がダンスを踊っている姿が画面に映し出された。
「うわっ!パンパン・・ムチムチに見えてる・・」 と私
「テレビは横長に見えちゃうからしょうがないのよ」 と母
「すげぇ姉ちゃん。デブ・・」 と弟
「カッコいいね」 と父・・・
「ま、すごく良い手相ってことはわかったからいいか。」 と私・・・
そして次に星占いの先生がパネルを開いた。
「この年の射手座は12年に1度来るか来ないかの大成功運に恵まれており何をやっても幸運に運勢は動きます。ですから優勝者はこの方ですね」
またしても私の名前だ。
「あははは~!また私だ。
射手座は大幸運ってどの雑誌みても書いてあったから、まあそうだろうけど・・あはは」
次の姓名判断の先生も私の名前を優勝者候補の二番目にあげ、いい名前だと褒めてくれちゃってる。
要するに3人の先生の中で
星座と手相の先生は私が優勝すると言い切り
姓名判断の先生も私が2番目に優勝の可能性のある人と言ったのだ。
「すごいね。姉ちゃん。優勝するってよ」 と弟
「だね~。って優勝してたら私ここにいないよ」 と私
「いい名前をつけてよかったな。母さん」
「ほんとね。お父さん」
こうして私は占いの世界ではミスコンで優勝しテレビに出て
華々しくダンスを踊ったのだった。
最終本選のとき
某テレビ局からフリーになった女子アナの人に
「では3番の方に特技のジャズダンスを踊っていただきましょう~。
あらまぁ~すごい健康的な方ですね~!」
と言われたことがいまだに忘れられない。
ダイエットしなかったことが悔やまれる^^;
その夜も深夜のテレビ番組で私のムチムチダンスがテレビで流れ
親戚から電話がかかってきた。
「おまえ何やってんだぁ~?あはははは。出てるじゃん。今」
電話は、8つ上の従兄からだった。
「ちょっと出てみた。思い出に・・・あは・・は・・」 と私。
雑誌にもいろいろ載ったようだが私は自分のムチムチをあらためて見たくもなかった為、
そのテレビ以来そのミスコンの記事を目にしても知らん顔して通り過ぎていった。
そして友人にも誰にも内緒で話さずにきた。
その時付き合っていた彼はその占いの番組をたまたま自宅で友人と見ていたらしく
テレビに映った自分の彼女のムチムチダンスを見て友人と目を点にしていたらしい。
私はテレビに映った自分の姿を見て
これはダイエットしなきゃ・・・と切実に思った。
だが 思っただけで いまだにダイエットに成功していない。
ツイてる人生であるはずの社長夫人にもならず芸能界へも行かず
今 ツイてるのは脂肪だけだった。
そして現在も ダイエット中~^^;
おわり
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